このような変化がありながら、なぜ、カナダはこれほど大量に中国系移民を受け入れているのだろう?
それは日本にとっても他人事ではない。
「世界は人間の奪い合いをやっている。いい人材がカナダに必要」とブリティッシュ・コロンビア大学の学長が言うように、カナダにおける人材不足の問題は深刻だ。それは優秀な人材が待遇のいいアメリカにどんどん流出してしまうからだ。例えば医師はカナダよりも報酬の高いアメリカの病院での勤務を望む。看護師もIT関連もしかり。
さらに、高齢化社会に突入したカナダが、産業を活性させ景気の好転を目指すには、どうしても若返りが必要になる。とすれば働き盛りで消費能力の高い移民、富裕層で投資や消費意欲の高い移民を歓迎するしかない。短期的にはバンクーバー五輪を控え、サービス業の従事者が圧倒的に不足、という問題もある。
こういった需要と供給にぴったり合致したのが、改革開放経済で海外に出るチャンスを得た大陸からの中国人だった。
彼らの流入で、確かにカナダ経済は活性化した。特に不動産はバブルを引き起こし、〇二年から昨年末までの五年間は、カナダ有史以来の未曾有の上昇率を記録。平均二倍以上に跳ね上がっている。
いまやバンクーバーのダウンタウン、とりわけハーバー沿いは、空と海に同化したブルーのガラス素材の高層ビル群がこの数年でびっしり建ち並び、建築ラッシュは続いている。
「中国系の投資家は部屋を見ずに即決というケースも少なくない」
とは大手不動産仲介業者の話。ブリティッシュ・コロンビア大学が広大なキャンパスを開発業者にリースし、開発が始まったのが約十年前。コンドミニアムが十棟建ち、二、三年前にさらに五、六棟増え、昨年夏にも四、五棟建った。
「三年ほど前、この物件を一カ月で二十組ほど案内した際は韓国系が十八組、中国系が二組だった。ところが昨年夏に売り出された物件の案内は九〇%以上が大陸出身の中国人だった」(別の不動産仲介業者)
ここが注目された背景には、大学周辺が高級エリアで、かつキャンパス内にある公立校のレベルが高く評判だったから。前述の「学住接近」の格好のターゲットになったこともある。
しかし、副作用も大きかった。それは、街並みが変化し、汚くなったということだけではない。民主主義国家であるカナダでは、市民権を獲得しさえすれば、政治の世界にも口出しできるからだ。
バンクーバー島の南端、ビクトリア市の市長は中国系、リッチモンド市の地元有力議員も中国系で、国政にもかかわっている。
「中国語なまりのすごい英語でも、選挙に勝てる。数の論理に愕然とした」(白人系カナディアンを夫に持つ日本人女性)
また、某メーカーの日本人女性社長はこう警鐘を鳴らす。
「日本人は順法精神があり、その国のルールを守る反面、『政治はお上に任せればいい』という考えで参加しない。中国系はそうではない。やりたい放題やっておいて、自分たちがマジョリティになると、こんどは自分たちに都合のいいルールを決めて、押し付ける。いまや人数も増えており、同じ利益に向かって団結するため、カナダ社会の影響力も増している」
そのいい例が、あるマンションのオーナー組合に起きた異変だ。このマンションは毎月の共益費だけで千ドル(約十万円)を越える高級マンションで、もともと、白人系富裕層が主な住民だった。
「そこに中国系住民が入ってきたのですが、ゴミを踊り場に雑然と放り出したり、外からの美観を考えて、窓は白いカーテンかブラインドと決められていたのに、勝手に真っ赤なカーテンを下げたりして、組合で問題になっていました。しかし、彼らは聞く耳を持たなかった。それが、どんどん中国系住民が増えた結果、ある日、オーナー組合の過半数を抑えてしまい、マンションの内規を変えてしまったのです。共益費はカット、それまでいた管理人もクビ。たまりかねて、白人系の住民は出て行ってしまった」(前出・大手不動産仲介業者)
同じことが、政治レベルでも起きる可能性がある。
「中国系議員は、金持ち優遇政策を考えているだけ。自分みたいな庶民には、だから関係ない」
こう語るのは、日本で映像カメラマンとして数年間働いた後に「パスポートを求め」てカナダへ移民した北京出身の中国人。
数の論理でムリを押し通す中国人のやり方は、一党独裁の中国にいたときには通用しなかったのに、民主主義の発達したカナダに来れば、まかり通ってしまう。
北京五輪と二〇一〇年の上海万博を無事に成功させてあげることで、中国が先進国の仲間入りを果たし、日本にとっても付き合いやすい相手になる——そんなノンキなことを主張していたメディアもあるが、それは、あまりにトンチンカンな願望ではないか。
中国人が豊かになればそれだけ、世界中に「新しい中国」が出来、数の論理とカネの力で災厄を振りまくだけなのである。
中国人の世界規模の大暴走は始まったばかりだ。
それは日本にとっても他人事ではない。
「世界は人間の奪い合いをやっている。いい人材がカナダに必要」とブリティッシュ・コロンビア大学の学長が言うように、カナダにおける人材不足の問題は深刻だ。それは優秀な人材が待遇のいいアメリカにどんどん流出してしまうからだ。例えば医師はカナダよりも報酬の高いアメリカの病院での勤務を望む。看護師もIT関連もしかり。
さらに、高齢化社会に突入したカナダが、産業を活性させ景気の好転を目指すには、どうしても若返りが必要になる。とすれば働き盛りで消費能力の高い移民、富裕層で投資や消費意欲の高い移民を歓迎するしかない。短期的にはバンクーバー五輪を控え、サービス業の従事者が圧倒的に不足、という問題もある。
こういった需要と供給にぴったり合致したのが、改革開放経済で海外に出るチャンスを得た大陸からの中国人だった。
彼らの流入で、確かにカナダ経済は活性化した。特に不動産はバブルを引き起こし、〇二年から昨年末までの五年間は、カナダ有史以来の未曾有の上昇率を記録。平均二倍以上に跳ね上がっている。
いまやバンクーバーのダウンタウン、とりわけハーバー沿いは、空と海に同化したブルーのガラス素材の高層ビル群がこの数年でびっしり建ち並び、建築ラッシュは続いている。
「中国系の投資家は部屋を見ずに即決というケースも少なくない」
とは大手不動産仲介業者の話。ブリティッシュ・コロンビア大学が広大なキャンパスを開発業者にリースし、開発が始まったのが約十年前。コンドミニアムが十棟建ち、二、三年前にさらに五、六棟増え、昨年夏にも四、五棟建った。
「三年ほど前、この物件を一カ月で二十組ほど案内した際は韓国系が十八組、中国系が二組だった。ところが昨年夏に売り出された物件の案内は九〇%以上が大陸出身の中国人だった」(別の不動産仲介業者)
ここが注目された背景には、大学周辺が高級エリアで、かつキャンパス内にある公立校のレベルが高く評判だったから。前述の「学住接近」の格好のターゲットになったこともある。
しかし、副作用も大きかった。それは、街並みが変化し、汚くなったということだけではない。民主主義国家であるカナダでは、市民権を獲得しさえすれば、政治の世界にも口出しできるからだ。
バンクーバー島の南端、ビクトリア市の市長は中国系、リッチモンド市の地元有力議員も中国系で、国政にもかかわっている。
「中国語なまりのすごい英語でも、選挙に勝てる。数の論理に愕然とした」(白人系カナディアンを夫に持つ日本人女性)
また、某メーカーの日本人女性社長はこう警鐘を鳴らす。
「日本人は順法精神があり、その国のルールを守る反面、『政治はお上に任せればいい』という考えで参加しない。中国系はそうではない。やりたい放題やっておいて、自分たちがマジョリティになると、こんどは自分たちに都合のいいルールを決めて、押し付ける。いまや人数も増えており、同じ利益に向かって団結するため、カナダ社会の影響力も増している」
そのいい例が、あるマンションのオーナー組合に起きた異変だ。このマンションは毎月の共益費だけで千ドル(約十万円)を越える高級マンションで、もともと、白人系富裕層が主な住民だった。
「そこに中国系住民が入ってきたのですが、ゴミを踊り場に雑然と放り出したり、外からの美観を考えて、窓は白いカーテンかブラインドと決められていたのに、勝手に真っ赤なカーテンを下げたりして、組合で問題になっていました。しかし、彼らは聞く耳を持たなかった。それが、どんどん中国系住民が増えた結果、ある日、オーナー組合の過半数を抑えてしまい、マンションの内規を変えてしまったのです。共益費はカット、それまでいた管理人もクビ。たまりかねて、白人系の住民は出て行ってしまった」(前出・大手不動産仲介業者)
同じことが、政治レベルでも起きる可能性がある。
「中国系議員は、金持ち優遇政策を考えているだけ。自分みたいな庶民には、だから関係ない」
こう語るのは、日本で映像カメラマンとして数年間働いた後に「パスポートを求め」てカナダへ移民した北京出身の中国人。
数の論理でムリを押し通す中国人のやり方は、一党独裁の中国にいたときには通用しなかったのに、民主主義の発達したカナダに来れば、まかり通ってしまう。
北京五輪と二〇一〇年の上海万博を無事に成功させてあげることで、中国が先進国の仲間入りを果たし、日本にとっても付き合いやすい相手になる——そんなノンキなことを主張していたメディアもあるが、それは、あまりにトンチンカンな願望ではないか。
中国人が豊かになればそれだけ、世界中に「新しい中国」が出来、数の論理とカネの力で災厄を振りまくだけなのである。
中国人の世界規模の大暴走は始まったばかりだ。
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| — | 「海外脱出」中国人がカナダで大暴走 ノンフィクション作家 河添恵子 - 超芸術と摩損 (via etecoo) (via kml) (via atomit) |