そんな試行錯誤を繰り返しながらの動画配信だったが、まずは16社を配信した。フタをあけてみれば評判は上々。パナソニックなど大手企業のバイヤーへのアンケート調査でも「製品の良さが直感的にわかる」と高い評価を得た。実際、東京や新潟など、これまで縁もゆかりもなかった地域からの問い合わせが相次いだ。 「いきなり350万円の装置の受注が来たり、配信を開始してから約2ヵ月の短い実験期間で8件も商談がまとまった」(福崎文伸・近畿経産局産業部創業・経営支援課長)と、その効果に企画した当の本人も驚いたほどだ。もちろん米国や台湾など、海外の企業からも引き合いがあった。これまでのような営業マンによる地道な営業活動では、ありえない効果である。
つまり、これは「輸入ブランド」だから高くつくという概念を持ち込んではいない値段。「グローバルブランド」を標榜するがゆえの見識だろうと思う。
また、記者と社長の質疑応答のなかで、もう1つ私がうなずいたのは、「日本流の商売をします。店長以下、社員の教育、店頭でのサービスも、できるだけ日本流でやりたい」という一言。
パナソニックは00年にデジカメに本格参入したばかりだが、後発のハンディを、増加していた女性ユーザーの開拓などで補う事業戦略を打ち出してきた。入社した西崎はコンパクトカメラのケースなど女性向けアクセサリー類の企画から新しい職場での仕事を始めた。「G1」開発への参画は、アクセサリーを担当した時にも取り組んでいたユーザー調査から入っていくことになった。パナソニックのデジカメの歴史は浅く、カメラ専業メーカーから転じた西崎は「ユーザー情報の蓄積があまりにも少ない」と課題を探り当て、率先して市場との対話に力を入れてきたのだ。
PBの値下げ合戦はイオン、ダイエー、イトーヨーカ堂といった総合スーパー(GMS)で盛んに行われている。しかし渡邉氏は、
「百貨店のPBは、値段を下げてはいけない」
と持論を展開する。
好立地に建つ百貨店は家賃が高い上に、内装やサービス面でもGMSよりもお金がかかっている。にもかかわらずGMSと同じように安くしたら、「自らの首を絞めてしまう」。百貨店が生き残るには「商品力を高めないと」と渡邉氏は訴える。商品力とは「百貨店で買うことのワクワク感だったり、思い出だったり」とし、付加価値のあるもののようだ。